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2023年04月26日

【相続】相続登記の義務化は2024年4月1日から!義務化の内容を詳しく解説

相続コラム|岡山県みやぎ司法書士事務所

 
<目次>

1.相続登記の義務化とは
2.相続登記を怠った場合は10万円以下の過料
3.相続人申告登記の新設
4.不動産の所有者の相続人となった場合の手続き
5.相続登記を先延ばしにする4つのリスク
6.相続登記の義務化への今後の対策
7.まとめ






1.相続登記の義務化とは

相続登記」とは、土地や建物など不動産の所有者が亡くなった場合に、不動産の名義を相続人に変更する手続きのことです。

今まで相続登記は任意とされていたため、名義変更しないまま長年放置されている土地が増え、深刻な問題になっていました。
このような問題を受け、2024年4月1日から相続登記は義務化されることになりました。

相続登記の義務化によって、亡くなった方が不動産を所有していた場合、「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その所有権を取得したことを知った日から3年以内」に相続登記をする必要があります。




2.相続登記を怠った場合は10万円以下の過料

2024年4月1日以降に発生した相続では、正当な理由なく3年以内に相続登記が完了しない場合、10万円以下の過料の対象となります。

また、現在すでに相続が発生していて相続登記せずに放置しているケースについても、10万円以下の過料の対象となります。
つまり、2024年4月1日より前に相続が発生していたケースについては、施行日である2024年4月1日から3年後である2027年4月1日までに相続登記をする必要があるため、注意が必要です。


【補足】
この度の不動産登記制度の見直しによって、「住所変更登記の義務化」も行われます。

土地や建物など不動産の所有者に氏名・住所の変更がある際は、2年以内に変更手続きが完了しない場合、5万円以下の過料が請求される可能性があります。




3.相続人申告登記の新設

相続登記の義務化と同時に、「相続人申告登記」という制度が新設されました。

不動産の所有者が亡くなった場合、その相続人間で遺産分割協議が成立するまでは、相続人全員が法定相続分の割合で不動産を共有した状態になります。
この共有状態を反映した相続登記を申請しようとする場合、法定相続人の範囲や法定相続分の割合を確定しなければならないため、全ての相続人を把握するための戸籍謄本などの収集が必要です。

そこで、相続登記の申請義務を簡易に履行することができるよう、相続人申告登記という制度が新たに設けられました。

相続開始から3年以内に遺産分割協議がまとまらず相続登記ができない場合、自らが相続人であることを法務局に申し出ることで、相続登記をする義務を履行したものとみなされます(登記簿に氏名・住所が記録された相続人の申請義務のみ履行したことになります)。

後日、遺産分割協議が成立した場合には、遺産分割協議の成立から3年以内に相続登記の申請をする必要があります。

ただし、相続人申告登記をしたからといって、その相続人が不動産の名義人となるわけではなく、相続人申告登記は、あくまでも相続登記の義務を免れることができる一時的な制度にすぎません。

相続登記を放置することで、後述する「相続登記を先延ばしにするリスク」が発生する可能性があるため、注意が必要です。




4.不動産の所有者の相続人となった場合の手続き
(法務省「相続登記の申請の義務化と相続人申告登記について」)

(1)3年以内に遺産分割が成立したケース
▶ 3年以内に遺産分割の内容を踏まえた相続登記の申請が可能であれば、これを行えば足りる。

▶ それが難しい場合等においては、3年以内に相続人申告登記の申出(法定相続分での相続登記の申請でも可)を行ったうえで、遺産分割成立日(死亡日ではない)から3年以内に、その内容を踏まえた相続登記の申請を行う。


(2)3年以内に遺産分割が成立しなかったケース
▶ まずは、3年以内に相続人申告登記の申出(法定相続分での相続登記の申請でも可)を行う。

▶ その後に遺産分割が成立した場合、遺産分割成立日から3年以内に、その内容を踏まえた相続登記の申請を行う。

▶ その後に遺産分割が成立しなかった場合、それ以上の登記申請は義務付けられない。


(3)遺言書があるケース
▶ 遺言によって不動産の所有権を取得した相続人が取得を知った日から3年以内に、遺言の内容を踏まえた相続登記の申請(相続人申告登記の申出でも可)を行う。




5.相続登記を先延ばしにする4つのリスク

相続登記をしないで長期間放置していると、10万円以下の過料が科される可能性があること以外にも、次のようなリスクがあります。

①相続関係が複雑になり遺産分割が難しくなる
遺産分割協議が行われず、相続登記をしないまま相続人のうちの一人にさらに相続が発生すると、次の相続が開始されてしまいます。
また、法定相続人がすでに亡くなっている場合には、代襲相続が発生します。
このように、相続人の数が増えると相続関係は複雑になっていきます。

そして、遺産分割協議により相続登記をするためには、相続人全員の同意と印鑑証明書が必要となるため、相続関係が複雑であるほど、遺産分割協議をまとめることが難しくなります。
相続人の連絡先が分からない場合や、相続人間で面識がないような場合は、遺産分割協議をすることさえ困難です。


②認知症になる等の状況の変化により遺産分割が難しくなる
例えば、相続人の一人が認知症になって判断能力が低下した場合、成年後見制度を利用する必要があるため、手続きが複雑になり費用もかかります。


③気持ちの変化により遺産分割が難しくなる
相続発生直後は、長男が取得するという話をしていたとしても、数年後には相続人の気持ちの変化などにより、話し合いがまとまらなくなるケースは非常によくあります。


④相続登記をしないまま不動産を売却することはできない
亡くなった方の名義のまま不動産を売却することはできません。また、不動産に担保を設定して住宅ローンを組むこともできません。
不動産を売却等するためには、事前に相続登記をする必要があります。




6.相続登記の義務化への今後の対策

相続登記義務化に伴い、次のような対応をしておくことが必要です。

(1)現在の不動産の登記情報を確認しておく
「相続登記が終わっていると思っていたら、実はまだ祖父や父名義のままだった」、「納税通知書が届くから、名義も変わっていると思っていた」というケースは非常に多いです。

相続登記の義務化によって、すでに相続が発生していて相続登記せずに放置されているケースも過料の対象となります。
つまり、放置されているケースについては、2024年4月1日から3年後である2027年4月1日までに登記をしなければ、10万円の過料の可能性があります。

不動産の登記情報は、全国の法務局もしくはオンラインで取得することが可能です。法務局で取得した場合は1通600円、オンラインで取得した場合は1通332円で確認することができます。
過料の対象とならないよう、事前に確認をすることが重要です。


(2)遺言書を作成しておく
不動産を所有している場合は、遺言書を作成しておくことで、相続登記の義務化に対する非常に有効な対策になります。

遺言書がある場合は、原則としてその遺言どおりに相続登記をすることができ、遺産分割協議をする必要がありません。そのため、不動産を取得しない相続人の印鑑は不要となり、スムーズに手続きをすることが可能です。
また、遺言書を作成しておけば、相続トラブルを未然に防ぐことができます。


(3)家族で不動産について話し合っておく
場合によっては、認知症になった場合などに備えて、信頼できる家族に不動産を託しておく「家族信託」などが有効なケースもあります。
選択肢が多い元気なうちに、今後の不動産の活用などについて家族で話し合っておく必要があります。




7.まとめ

今回の記事のポイントは次のとおりです。

2024年4月1日から相続登記は義務化される

3年以内に相続登記が完了しない場合、10万円以下の過料が科される

すでに発生している相続2027年4月1日までに相続登記をする必要がある

✓ 3年以内に遺産分割が難しい場合は相続人申告登記の申出を行う

✓ 相続登記を先延ばしにするとリスクを伴う

✓ 相続登記の義務化への対策として、現在の不動産の登記情報を確認しておくことや、遺言書を作成することが重要




2024年4月1日から相続登記は義務化となりました。
相続登記の義務化に伴い、登記せずに放置した場合には罰則適用の可能性もあることから、速やかに適切な対応を取ることが必要です。

みやぎ司法書士事務所では、相続に関する総合的な支援を行っています。
初回相談は無料・出張相談も対応可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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